大阪では、パ・リーグのプレーオフや日本シリーズそっちのけで、村上ファンドの阪神電鉄株買収一色だ。

メディアの報道を見聞きして気になることがある。それは、タイガースがどうなるかというファンにとって重要な問題が、すべて阪神電鉄の経営の話として取り上げられていることだ。

そもそもタイガースに限らず、プロ野球であろうとJリーグであろうと、スポーツクラブは地域のモノであり、ファンのものであるはず。親会社の株が誰に買収されようと、タイガースというチームが、関西にあり、甲子園で試合をし、タイガースという名前を名乗り(何度も書くが阪神タイガースの「阪神」は親会社の阪神電鉄の「阪神」である!)、ファンが応援できるチームであればなんら問題はない。

タイガースというプロ野球チームを阪神電鉄という一企業が持っていることがいいのか、もっと別の所有形態がいいのか、重要なのはそこだけである。

地元の人しか乗らない電鉄会社のような親会社にとって、球団はいまさら宣伝道具ではないはず。とにかくよく稼いでくれる優秀な子会社、阪神電車のお客さんを増やす道具なのだ。それなら「球団名から親会社の名前を外す」という、欧米のプロスポーツやJリーグでは当たり前のことを、率先してやってもらいたい。

そしてその次は、タイガースが一企業の宣伝道具から脱皮し、「大阪タイガース」になってファンが株を持つことが遙かに素晴らしいことに思えるのだが…。