毎年、6月がくるとお役所を中心に、ノー上着、ノーネクタイを勧める運動が展開される。これまでの「エコスタイル」という呼び名に加えて、ことしは「クールビズ」とも言うとか。これによってエアコンの冷房温度を28度にして、省エネに貢献しようとのこと。先日の新聞には、小池百合子環境大臣が「冷房の温度を上げれば女性の膝掛けが不要になる」といった旨の全面広告が掲載されていた。

こうした運動は大いに盛り上がってほしい。とにかく日本の夏は暑すぎる。中でも都市部の暑さは異常である。このなかでスーツにネクタイで仕事をしろ、というのはあまりにも酷である。そもそも日本よりずっと高緯度にある欧米諸国のスーツをアジアで着ることに無理があるのだ。かといってオフィスの冷房を効かせすぎるのは、女性でなくとも体に悪い。

しかし、ここで気になるのは、ノーネクタイ姿のファッションセンスである。小泉首相をはじめ閣僚もネクタイを外していたがなんともしまらない。役所や民間企業でも一緒。ネクタイをすることを前提にしたカッターシャツは、ネクタイを外すと余りにもだらしない。許せるのは襟の立つボタンダウンシャツぐらいだろう。

かといってゴルフウェアやTシャツに走ってしまっては行き過ぎである。そこでポロシャツを夏の間だけ正装と認めてはいかがだろうか。ハワイではアロハが正装であるように、蒸し暑い日本でもスーツにネクタイが正装である必要はない。襟の付いたシックな色のポロシャツなら上品であるし、相手に不快感も与えまい。

小池さん、広告第2弾はこの線でよろしく。