2005年06月
日本、ドイツ、ブラジル、インドの4カ国が手を携えて、常任理事国入りを狙っている。しかし、他国はそれぞれの思惑からすんなりと「4カ国まとめて」とはいかないようだ。中国や韓国が日本のそれを許そうとはしない、イタリアも反対である。
ところが日本にはこれがいない。
何よりアジアで日本の応援団が少ないことが大きな問題だ。生徒会長に立候補するなら、まずクラスの仲間に応援してもらおうと考えるのが普通。
かといって頼みの米国は、日本を支持はしているが、4カ国は多すぎるとの立場。「米国追随ではない独自外交」などと、小泉さんはかえって胸を張っているが、他の3カ国との調整をどうするか、戦略はなさそうだ。
外務官僚はそうなのかもしれないが、小泉さんに限っては、単なる思いつき、人気取りの一つに過ぎないだろう。少なくとも自民党総裁選に立候補した5年前は頭の片隅にもなかっただろう。なぜなら、常任理事国入りを考えていたのなら「靖国神社参拝」を公約にあげるはずがないからだ。人並みの想像力があれば、この公約の実現は中韓を始めとしたアジア各国の反発を招くことは容易に想像が付く。常任理事国入りとは相容れない公約であるからだ。
どちらを小泉さんは優先させるのか。
感情ではなく、国家としての冷静な戦略を立てる必要がある。
交流戦で盛り上がるプロ野球界から、信じがたいニュースが飛び込んできた。ジャイアンツのナベツネが球団経営に復帰するという。「球団会長」だとか。あきれかえって開いた口がふさがらない。
明大の一場靖弘投手(現ゴールデンイーグルス)をめぐるスカウト活動の不正で、道義的責任を取り「オーナー」(親会社のサラリーマン社長や会長をオーナーと呼ぶのはどう考えてもおかしいのでカギ括弧つきにします)を辞任してから10ヶ月。復帰の理由は「巨人が歴史的な危機」だから。そして「旧知の球団首脳の方々とも球界改革について話し合いたい」とか。
おかしな点は2つ。
まず第1点は、責任の不明確さである。「道義的責任」とは、対外的に「我が社は悪いことをしました。辞めて責任をとるので許してください」ということだと思う。辞めて責任がとれるかどうかは別問題として、一応辞めることによって責任をとったことになる。
これが復帰できるとはどういう理屈になるのだろう。少なくとも社外(いわゆる「世間」「世論」ということになるか?)が「もう十分責任をとった。過去のことは不問にする」とならなければ復帰などできるわけがない。
ところが復帰の理由が「巨人の危機」。対外的な責任をとって辞めたのに、全く身内の論理で復帰するというのだ。こんな筋の通らない話はない。
第2点は、球界改革について。交流戦は始まったものの、ドラフトの完全ウェーバ制、FA資格の短縮、サラリーキャップ、テレビ放映権等々確かに球界改革は遅々として進まない。 満を持したナベツネ登場で、昨年からの流れに再び勢いがつき、改革が一気に進むのか?残念ながらそんな可能性は低い。ナベツネがこれらの改革に、他球団への脅しを使って抵抗してきたのは旧知の事実。「現在ドラフト改革に抵抗しているのはソフトバンクで、読売は選手会寄り」といった話も聞くが、ナベツネ復帰でどうなることやら。
彼は「球界改革が悪い方に進んでいるのでセ各球団やソフトバンクと話し合ってストップをかける」。「球界改革について話し合いたい」とは、翻訳すればこういうことになるではないか。
この心配が杞憂に終わることを願っている。
こうした運動は大いに盛り上がってほしい。とにかく日本の夏は暑すぎる。中でも都市部の暑さは異常である。このなかでスーツにネクタイで仕事をしろ、というのはあまりにも酷である。そもそも日本よりずっと高緯度にある欧米諸国のスーツをアジアで着ることに無理があるのだ。かといってオフィスの冷房を効かせすぎるのは、女性でなくとも体に悪い。
しかし、ここで気になるのは、ノーネクタイ姿のファッションセンスである。小泉首相をはじめ閣僚もネクタイを外していたがなんともしまらない。役所や民間企業でも一緒。ネクタイをすることを前提にしたカッターシャツは、ネクタイを外すと余りにもだらしない。許せるのは襟の立つボタンダウンシャツぐらいだろう。
かといってゴルフウェアやTシャツに走ってしまっては行き過ぎである。そこでポロシャツを夏の間だけ正装と認めてはいかがだろうか。ハワイではアロハが正装であるように、蒸し暑い日本でもスーツにネクタイが正装である必要はない。襟の付いたシックな色のポロシャツなら上品であるし、相手に不快感も与えまい。
小池さん、広告第2弾はこの線でよろしく。